トラベル写真賞、極北の幻想的な風景がグランプリ 写真9点

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  グリーンランド西部の小さな漁村ウペルナビク。身を切るような冷たい風が吹いているが、マイナス30度くらいなら地元の人たちにとっては「暖かい3月の夕方」。街の人々はそれぞれに用事を済ませていた。(参考記事:「氷に覆われてるのに「グリーンランド」、なぜ?」)

  写真家のチュ?ウェイミンさんは、色とりどりの家々を見渡せる斜面に陣取っていた。「このアングルからの画面の構成や色合い、雰囲気がとてもいいと思いました」と、彼は後に振り返った。「特に、夕暮れ時の光が」

  散歩する人か、遊ぶ子どもたちを撮りたいと思っていたチュさんだったが、ある家族が街灯の明かりの中を歩いていくのを見て胸が高鳴った。光が少ない中で確実に撮れるよう操作しながら、思い描いた通りの場面をものにした。その作品が、2019年ナショナル ジオグラフィックトラベルフォトコンテストのグランプリに輝いた。(参考記事:「トラベル写真賞、日本人写真家がグランプリ 写真23点」)

  ウペルナビクの風景は、出会いの瞬間からチュさんに感銘を与えた。「フライトの間じゅう、目に入るのは氷と雪に覆われた景色ばかりでしたが、突然、暖かみを感じさせる大きな点が遠くに見えたのです。それがウペルナビクでした。こののどかな村の美しさは、私の想像をはるかに超えていました。ため息が出るような瞬間でした」(参考記事:「ギャラリー:息をのむほど美しい氷の世界、グリーンランドの写真22選」)

  チュさんは何年も前からグリーンランドを訪れ、風景を写真におさめてきた。ウペルナビクを訪ねたのは2019年3月。住民はおよそ1000人だが、それでもグリーンランドで13番目に人口が多い集落だ。チュさんはもともと2日間の滞在予定だったが、日程が延びた。「フライトがなくなってしまい、1週間滞在せざるを得なくなったのですが、かえって幸運でした。賞を獲ったこの写真は、ウペルナビクでの滞在6日目に撮ったんです。2日しかいなければ、今年この場所を見つけることはなかったでしょう」(参考記事:「グリーンランド 地の果ての風景」)

  6日間かけて撮影のチャンスを探しながら、チュさんはウペルナビク周辺を探索。商店や中心部の港にいる地元の人たちと知り合いになった。町全体の眺めを撮りたいと考えたチュさんは、日常生活の営みを邪魔しないよう、通りから十分な距離を取ることにした。夕暮れの光の中で何度か撮ってみた後、人の動きが止まって見えるよう、ISO感度を上げて絞りを開いた。ちょうどその時、家族連れが家から出てきた。チュさんはその瞬間をとらえた。

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